“最高の書き味”を体感できる万年筆向けのブック型ノート
万年筆のポテンシャルを引き出すオリジナルペーパー「GRAPHILO」
まず、一筆書いてみてほしい。インクをたっぷり含んだペン先がなめらかに紙になじんでいく感覚がわかるだろう。発売当初から、“ぬらっとした書き味が楽しめる紙”として、万年筆ユーザーの間で特に評判となった「神戸派計画・GRAPHILO(グラフィーロ)」。この、“ぬらっと”というのが、万年筆で書くときにとても気持ちがいい感覚で、味わったら最後、手放せなくなる書き味なのだ。
グラフィーロは、インクの湿度を残したままにじむことなく書ける上に、インクの発色も美しく保つ。特筆すべきは、筆記の際に、ペン先が滑りすぎないことだ。文字を書いたときにほんのりと、絶妙なテンションがペン先にかかる。ペン先がぶれずに安定した書き心地を体感すると、どんどん文字を書き進めたくなってしまう。
書きたくなるノートを追求し細部までこだわり抜いた製本加工
神戸派計画を運営する大和出版印刷は印刷・製本のエキスパートだ。“最高の書き味を紙で引き出す”を実現するべく、職人技術とこだわりを結集した商品のひとつが、「GRAPHILO style(グラフィーロ・スタイル)」。10を超えるグラフィーロシリーズの中でも分厚く、書籍を思わせるしっかりとした装丁だが、まさにこれこそ、“書きやすい”を超えた、“書きたくなる”ノートである。
グラフィーロの書き味を最大限に生かすため、製本にもとことんこだわったというグラフィーロ・スタイルは、ページの開きがとてもいい。どこを開けてもパタンと左右に割れるだけでなく、ぐるりと折り返して真半分にしても糸がほどけて紙が外れたり、かたちが崩れることはない。ノートを書くときは、書く面がフラットになるように左右のページの量を調整して高低差を均一にすることができるというのは、なかなか画期的だ。
仕掛けの1つは、背の部分。装丁の表紙・裏表紙と背は同じ紙で作るのが通例なのに対し、グラフィーロ・スタイルは、開きやすさを実現するために背が薄くなるように加工を変えている。また、ページを開いた「見返し」と呼ばれる1枚目の紙は表紙・裏表紙と張り合わせる加工してあるため、本文用紙とは同じ書き味とは言い切れない。本来は、本文用紙と同じデザインの紙が入る1枚目をあえて白くして差をつけたのは、「書き味が変わる紙に書いてほしくない」という願いから。手間やコストがかかる方法を取り、リスクを負っても、ストイックに書き味のよさを守り抜く。
「すべては万年筆の書き味を損ねないため」――そこに職人魂を感じる1冊だ。